こんにちは、院長の野田奈菜です。
マウスピース矯正(インビザラインなど)をはじめると、日々の生活で誰もが一度は悩む「食事や飲み物のルール」です。
私の友人がインビザライン治療中(もちろん私が治療しています♡)で、一緒にディズニーランドに行った際、
「これくらいならマウスピースはめたまま食べて良いかな」
「どんな飲み物も外さないとだめ?」
とお話していました。
そのほか患者様からも
「仕事の関係でお酒を飲まなきゃいけないんだけどそうすると装着時間短くなる、、、」
「色ついてない飲み物なら大丈夫だと思った」
などお声をいただくこともあります。
この記事では、マウスピース矯正中の基本的な取扱ルールから、「お酒などの飲み物と矯正」の関係性について詳しく解説します。

1. マウスピース矯正中の基本的な食事・飲み物ルール
まずは、マウスピース矯正を行う基本原則をまとめておきます。ここを怠ってしまうと、治療期間が延びるなどのトラブルを引き起こします。
① 1日20時間〜22時間以上の装着時間を守る
マウスピース矯正は、1日の大半の時間装置を装着することで少しずつ歯を動かしていきます。装着時間が不足すると、計画通りに歯が動かなくなってしまいます。
もし1日20時間以上の装着時間を守れなかった日がある場合は、プラス1日追加してマウスピースを交換する日を延期するなどの対策が必要です。
② 食事の時は必ずマウスピースを外す
ごはんや間食をとる際は、必ずマウスピースを取り外します。マウスピースを装着したまま食べ物を噛むと、噛み合わせの圧力で装置が破損したり、変形したりするリスクがあります。また、食べかすが装置の中に閉じ込められ、虫歯の大きな原因にもなります。
③ 基本的に7-14日でマウスピースを交換する
マウスピースは大体1−2週間おきに、ちょっと歯並びの良くなったマウスピースに交換することで歯を動かしていきます。大体1週間交換と定めている医院が多いように感じますが、患者様の年齢や骨の硬さ、使用時間などによって変えていきます。また、動きを良くする装置を併用する場合は1週間よりも早く交換する場合もあります。
④ 飲み物はお水がベスト、お茶やコーヒーは外して飲むことをお勧めします
お水はマウスピースを装着しながら飲むことが可能です。
また無糖のお茶やブラックコーヒーは、糖分がないため、矯正自体には問題ないのですが、ポリフェノールやタンニンといった強力な色素が含まれているため、マウスピースを着けたまま飲むと装置に色が移り、マウスピースが茶色くなってしまいます。
また、歯とマウスピースの隙間に液体が流れ込んで停滞するため、唾液による自浄作用が働きにくくなり、歯自体にも着色しやすい環境になってしまうため、お茶やブラックコーヒーはマウスピースを外してから飲んだ方がいいと考えます。

2. マウスピース矯正中にお酒(アルコール)は飲んでもいいの?
では、マウスピースをはめながらお酒は大丈夫なのでしょうか。
ある歯科医院ではトラブルを避けるために「お水以外はすべてNG(お酒を飲む際も外してください)」と伝えている医院もあるそうです。しかし、仕事柄お酒を飲む方など、どうしても避けられない場面もありますよね。
ある患者様は、「毎晩お酒を飲み、寝落ちてしまうこともあるため、マウスピースはめながらお酒飲めると良いのだけど、、、」と矯正相談でお話してくださいました。
マウスピースをはめながらのめるかどうかの判断で必要となる項目は、お酒に含まれる「着色成分」「糖分」「酸性度(pH値)」の3点です。

3. マウスピースをはめながら飲むお酒のリスク
① 「着色」赤ワインなどの色のついた飲み物は着色の原因に
お茶やコーヒー同様、赤ワインやカクテル、黒ビール、サングリアなど、色の濃いお酒は非常に着色しやすい特徴を持っています。マウスピースに着色汚れ(ステイン)がつくと、洗浄剤を使っても落ちにくくなります。

② 「糖分」「酸性度(pH)」高いお酒は「歯を溶かす」危険性がある
お酒を選ぶ上で最も重要な指標となるのが「pH(ペーハー/水素イオン濃度)」です。
お口の中は通常、唾液の働きによって「pH 6.8〜7.0(ほぼ中性)」に保たれています。
しかし、飲み物の影響でお口の中がpH 5.5以下(酸性)に傾くと、歯のエナメル質が溶け出す「脱灰(だっかい)」という現象が始まります。これが日常的に続くと、歯が溶けて虫歯になりやすくなるのです。
通常であれば唾液が酸を洗い流し、中性に戻してくれます。しかし、マウスピースを装着したまま酸性の高いお酒を飲むと、歯とマウスピースの間に酸が閉じ込められた状態になり、唾液が届きません。その結果、一晩中歯が酸に晒され続け、急速に虫歯リスクが高まってしまうのです。
4. pH値から見る「お酒の種類」と歯への影響
「酸性度が高いお酒は避けるべき」とお伝えしましたが、では具体的にどんなお酒が危険で、どんなお酒なら比較的安全なのか、具体的に説明していきます。
①注意が必要な酸性度が高いお酒(pH値が低いお酒)
酸性度の高い(=pHが低い)お酒は、歯が溶けやすく虫歯になりやすいです。
以下の飲み物は、マウスピースを外して飲み、歯を磨いてからマウスピースを装着することをお勧めします。
-
柑橘系チューハイ・サワー類(pH 2.5〜3.0)
レモンサワーやグレープフルーツサワーなどは非常に強い酸性です。非常に歯が溶けやすいです。
- ワイン(白ワイン:pH 2.3〜3.4 / 赤ワイン:pH 2.6〜3.8)
ワインも非常に酸性度が高く、エナメル質を溶かしやすいお酒の代表格です。さらに赤ワインは着色リスクも重なるため、はめながら飲むのは絶対やめましょう!
- ハイボール・カクテル(pH 3.0〜4.0)
炭酸水割りや果汁割りのカクテルも酸性に傾きます。
- ビール・日本酒(pH 4.0〜4.5)
一般的なビールや日本酒も、歯が溶け始める基準(pH 5.5)を下回る酸性度を持っています。さらに糖分も含まれているため虫歯リスクが高まります。
②pH 7(中性)に近く、比較的歯に優しいお酒
では逆に、pH値が7(中性)に近く、比較的安全なお酒は以下のものになります。
もし、どうしてもマウスピースをはめながらお酒を嗜む場合には、以下のようなお酒を選ぶことをお勧めします。
- 焼酎の「お湯割り」または「水割り」(pH 6.0〜7.0前後)
焼酎などの蒸留酒自体は醸造酒(ワインや日本酒)に比べて酸性度が控えめです。これを純粋な お水やお湯で割ることで、全体としてpH値が7(中性)に非常に近くなります。糖質もゼロであるため、虫歯菌のエサになりにくいというメリットもあります。
炭酸は弱酸性(pH4.5〜5.5)になので、炭酸で割ってしまうと酸性度が上がり、歯が溶けやすくなります。
- ウイスキーの「水割り」(pH 6.0〜6.5前後)
ウイスキーを炭酸水で割る「ハイボール」は炭酸の影響で酸性になりますが、「お水で割る(水割り)」にすることで酸性度が大幅に和らぎ、中性に近づきます。ウイスキー自体も蒸留酒ですので、糖分が含まれていません。
ですが、ウイスキー自体はpH4.0〜5.0です。ウイスキーは木樽で長期間熟成させる過程で、樽の成分(有機酸など)が溶け出すため、蒸留酒の中ではやや酸性に傾いています。そのため、水で割ることで、中性に近づきます。
- ウォッカやジンなど蒸留酒の「水割り」(pH 6.5前後)
ウォッカやジン、ラムなどのスピリッツ類も蒸留酒の一種です。ジュースやトニックウォーターで割ると糖分と酸度が跳ね上がりますが、シンプルにお水だけで割った場合はpH値が7近くまで落ち着きます。
5. マウスピース矯正中のお酒を楽しむためのケアと工夫
ストレスなく矯正治療を続けるためには、上手に付き合う工夫が必要です。
マウスピース矯正ははめないと動きません。そのため、嫌にならない工夫が必要だなと思っています。
最も確実で安全な方法は、お酒を飲む前にマウスピースを外し、飲み終わった後に歯みがきをしてから再装着することです。
ですが、どうしてもマウスピースを外してお酒を飲むと装着時間が短くなってしまう場合は、焼酎やウイスキーの水割り(糖質ゼロ・pH 7に近いもの)などを選び、同時にチェイサー(お水)をこまめに飲むようにすることをお勧めします。
まとめ
矯正はどうしても時間がかかる治療です。
また、マウスピース矯正は患者様のはめていただく時間に依存するため、日常生活にいかに負担なく装着できるかが大事だと思っています。
ぜひ参考になれば幸いです。
東京日本橋クレア歯科・矯正歯科では、マウスピース矯正だけではなく、裏側矯正や、表側ワイヤー矯正など、無料の矯正相談を行なっておりますので、お気軽にご相談ください。
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東京日本橋クレア歯科・矯正歯科
Tokyo Nihombashi Clair Dental & Orthodontics
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