口内炎が頻繁にできる方へ|矯正治療中に考えられる原因と対処法
「矯正治療を始めてから口内炎が増えた」「ワイヤーやブラケットが頬に当たって痛い」とお悩みではありませんか。
矯正治療中は、歯の表面に装着したブラケットやワイヤー、マウスピースの縁などが口の粘膜に触れるため、治療前よりも口内炎ができやすくなることがあります。特に装置をつけた直後やワイヤーを交換した後は、頬や唇、舌が装置に慣れておらず、擦れによる痛みが出やすい時期です。
ただし、口内炎が頻繁にできる原因は矯正装置だけとは限りません。疲労や睡眠不足、口腔内の乾燥、栄養状態、感染症、全身疾患などが関係している可能性もあります。
今回は、矯正治療中に口内炎ができる原因、装置が当たるときの対処法、繰り返す場合の受診目安について、解説します。

そもそも口内炎とは?
口内炎とは、頬の内側や唇、舌、歯ぐきなど、口の中の粘膜に起こる炎症の総称です。
一般的によく見られるのは「アフタ性口内炎」と呼ばれるタイプです。円形または楕円形の白っぽい潰瘍ができ、その周囲が赤くなります。
食べ物や歯ブラシが触れたときに強く痛んだり、熱いもの、辛いもの、酸味の強いものがしみたりするのが特徴です。
通常のアフタ性口内炎は、1~2週間程度で自然に改善することがあります。一方で、何度も繰り返すものは「再発性アフタ」と呼ばれますが、その原因はひとつに特定できないこともあります。
矯正治療中に口内炎ができやすい原因
1.ブラケットが頬や唇に当たっている
ワイヤー矯正では、歯の表面にブラケットという装置を取り付けます。
治療を始めた直後は、ブラケットの角や表面が頬・唇の内側に擦れ、粘膜が傷つくことがあります。傷ついた部分に炎症が起こると、口内炎や潰瘍につながります。
装置をつけたばかりの時期は、口の中がまだブラケットの存在に慣れていません。そのため、話す、食べる、笑うといった日常的な動きでも装置と粘膜が擦れやすくなります。
時間の経過とともに粘膜が装置に慣れ、口内炎ができにくくなる方もいます。

2.ワイヤーの先端が粘膜に刺さっている
矯正治療によって歯が移動すると、ワイヤーの端が奥側から余り、頬の内側に当たることがあります。
また、硬いものを食べたときや歯磨きの際に、ワイヤーが曲がったり装置から外れたりすることもあります。
ワイヤーの先端が同じ場所に繰り返し当たると、粘膜の傷が治らず、口内炎のような潰瘍ができる可能性があります。矯正治療中の口腔潰瘍は、ブラケットやワイヤーなどによる機械的な刺激が主な原因のひとつです。
3.マウスピースの縁が当たっている
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正よりも装置の表面が滑らかですが、口内炎がまったくできないわけではありません。マウスピースの縁が歯ぐきや舌に当たっていたり、アタッチメントが頬の粘膜に擦れたりすると、痛みや傷が生じることがあります。
マウスピースを外した状態でも同じ場所に痛みが続く場合や、縁が明らかに尖っている場合は、自分で大きく削らず、ご相談ください。
4.歯並びの変化によって頬や舌を噛みやすくなった
矯正治療では、少しずつ歯の位置や噛み合わせが変化します。その途中で、一時的に頬の内側や舌を噛みやすくなる場合があります。同じ場所を何度も噛むと、傷ができて炎症につながります。
急いで食べる癖がある方や、食事中に頬を噛むことが多い方は、ゆっくり噛むことを意識しましょう。
矯正装置以外に考えられる原因
疲労・睡眠不足・ストレス
仕事や勉強が忙しく、疲労や睡眠不足が続いているときに、口内炎ができやすいと感じる方は少なくありません。
口内炎には、ストレスや体調不良など複数の要因が関係すると考えられています。規則正しい生活を心がけ、十分な休息をとることが大切です。
栄養状態の偏り
極端な食事制限や偏食によって栄養バランスが崩れている場合も、口内炎を繰り返す要因になることがあります。
特に鉄、葉酸、ビタミンB群などの不足が、再発性アフタに関連する可能性が指摘されています。ただし、自己判断でサプリメントを大量に摂取するのではなく、食生活を見直し、必要に応じて歯科医師に相談しましょう。
口腔内の乾燥
唾液には、粘膜を保護したり、口の中を洗い流したりする働きがあります。
口呼吸や水分不足、薬の影響などによって口が乾燥すると、粘膜が傷つきやすくなります。矯正装置による摩擦も強く感じやすくなるため、こまめな水分補給や口呼吸の改善を意識しましょう。
歯磨き不足による口腔内環境の悪化
矯正装置の周辺は、食べかすや歯垢が残りやすい場所です。
痛みがあるからといって歯磨きを避けてしまうと、口腔内の細菌が増え、炎症が悪化したり治癒が遅れたりする可能性があります。
傷口を強くこする必要はありませんが、やわらかめの歯ブラシやタフトブラシを使用し、装置の周囲を丁寧に清掃しましょう。
ウイルス・真菌などの感染症
口内炎に見える症状でも、単純ヘルペスウイルスやカンジダ菌などの感染が原因となっていることがあります。
水ぶくれが複数できる、広範囲が赤くなる、白い膜のようなものが付着するといった場合は、一般的なアフタ性口内炎とは異なる可能性があります。
全身疾患が隠れていることもある
口内炎を頻繁に繰り返す場合、まれに全身疾患の症状として現れていることがあります。
例えば、再発性の口内炎はベーチェット病などでも見られることがあります。口内炎以外に、目の症状、皮膚症状、発熱、腹痛などがある場合は、歯科だけでなく医科での検査が必要になることがあります。
矯正装置が当たって痛い場合の対処法
矯正用ワックスを使用する
ブラケットやワイヤーが頬に当たる場合は、矯正用ワックスで装置を覆う方法があります。
使用する前に手を洗い、装置周辺の水分をティッシュなどで軽く拭き取ります。少量のワックスを丸め、痛みの原因となっている部分に押しつけるように装着してください。
食事や歯磨きで外れることがあるため、必要に応じて新しいものに交換します。矯正用ワックスは、装置による擦れや刺激を一時的に軽減するために使われます。
刺激の強い食事を控える
口内炎がある間は、香辛料の強い料理、酸味の強い食品、熱すぎるもの、硬いもの、塩分の強いものを控えましょう。おかゆ、うどん、スープ、豆腐など、やわらかく刺激の少ない食品を選ぶと、食事中の痛みを抑えやすくなります。
口の中を清潔に保つ
やわらかい歯ブラシを使用し、痛みのない範囲で丁寧に磨きましょう。
患部を歯ブラシで強くこすったり、指や舌で何度も触ったりすると、治癒が遅れる可能性があります。
市販の口内炎用軟膏や貼付剤によって、患部を保護できる場合もあります。ただし、症状によって使用すべき薬が異なるため、治らない場合は歯科医院へご相談ください。
自分でワイヤーを切ってもよい?
ワイヤーが当たって痛い場合でも、原則として自分で切ったり大きく曲げたりすることはおすすめできません。
誤って口の粘膜を傷つけたり、切ったワイヤーを飲み込んだり、矯正治療に影響が出たりする可能性があります。
ワックスを使っても痛みが改善しない場合は、ワイヤーの調整を受けましょう。
歯科医院を受診したほうがよい症状
次のような場合は、単なる装置の擦れと自己判断せず、歯科医院へご相談ください。
・ワイヤーが刺さって強く痛む
・ブラケットやワイヤーが外れている
・同じ場所に繰り返し口内炎ができる
・2週間以上たっても治らない
・口内炎が徐々に大きくなっている
・硬いしこりや出血がある
・口内炎が一度に多数できる
・発熱や強い倦怠感を伴う
・目、皮膚、関節などにも症状がある
・痛みで食事や水分補給が難しい
長期間治らない潰瘍やしこりは、一般的な口内炎以外の病気である可能性もあります。口の粘膜の病気は見た目だけで区別することが難しいため、症状が続く場合は早めに診察を受けましょう。
口内炎ができても矯正治療は続けられる?
軽度の口内炎であれば、装置が当たる部分を調整したり、矯正用ワックスで保護したりすることで、矯正治療を続けられることが一般的です。
ただし、強い痛みがある状態を我慢し続ける必要はありません。
ワイヤーの長さやブラケットの状態に問題がある場合は、装置を調整することで刺激を軽減できる可能性があります。マウスピースの縁が当たっている場合も、状態を確認したうえで適切に調整します。
矯正治療中の痛みや違和感は、「次回の診察まで我慢しなければならない」と考えず、早めにご連絡ください。
【医院情報】
東京日本橋クレア歯科・矯正歯科
Tokyo Nihombashi Clair Dental & Orthodontics
住所:〒103-0024
東京都中央区日本橋小舟町8番 14号日本橋三越前アムフラット壱番館1階
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