2026-07-19
矯正は必要?歯並びが悪いと起こりやすいトラブルとは

歯並びが悪いと起こりやすいトラブルとは?矯正治療の必要性も歯科医師が解説

歯並びについて、「見た目が少し気になるだけだから、治療しなくても問題ない」と考えていませんか?
歯並びの乱れは、口元の見た目だけに関係するものではありません。歯が重なっていることで歯ブラシが届きにくくなったり、上下の歯が適切に噛み合わないことで、一部の歯や顎に負担が集中したりすることがあります。
また、歯並びの状態によっては、むし歯や歯周病、口臭、歯のすり減り、食事のしにくさなどにつながる可能性もあります。矯正治療は、単に歯をきれいに並べるだけの治療ではありません。歯みがきしやすい環境や、バランスのよい噛み合わせを整え、将来のお口の健康を守ることも大切な目的です。
今回は、歯並びが悪いと起こりやすいトラブルと、矯正治療を検討するタイミングについて、わかりやすく解説します。
歯並びが悪い状態とは?
歯並びや噛み合わせに問題がある状態を、歯科では「不正咬合」と呼びます。
不正咬合には、主に次のような種類があります。
・歯が重なって生えている叢生
・上の前歯が前方へ出ている上顎前突
・下の歯が上の歯より前に出ている反対咬合
・前歯が噛み合わず隙間がある開咬
・噛み合わせが深い過蓋咬合
・歯と歯の間に隙間がある空隙歯列
・上下の歯が横方向にずれている交叉咬合
歯並びの乱れには、顎の大きさと歯の大きさのバランス、遺伝的な要因、指しゃぶりや舌の癖、乳歯の早期脱落、口呼吸など、さまざまな原因が関係します。
見た目が似ていても、原因や噛み合わせの状態は患者さまごとに異なります。
そのため、歯並びを見ただけで治療方法を決めるのではなく、レントゲンや口腔内写真、歯型などを用いた精密検査が必要です。
歯並びが悪いと起こりやすいトラブル

1.むし歯になりやすい
歯が重なっていたり、歯がねじれて生えていたりすると、歯ブラシの毛先が十分に届かない場所が生じます。
その部分に歯垢や食べかすが残ると、お口の中の細菌が酸をつくり、歯の表面を溶かしてむし歯を引き起こす可能性があります。
特に汚れが残りやすいのは、次のような場所です。
・重なった歯と歯の間
・内側へ傾いた歯の裏側
・奥歯の周囲
・歯と歯茎の境目
・歯ブラシが入りにくい狭い隙間
毎日歯を磨いているのに、いつも同じ場所にむし歯ができる場合は、歯並びによって清掃が難しくなっている可能性があります。日本歯科医師会も、歯がデコボコしていると磨き残しが増え、むし歯や歯周病、口臭の原因になり得ると説明しています。
2.歯肉炎や歯周病のリスクが高まる
歯並びが重なっている部分では、歯と歯茎の境目にも歯垢が残りやすくなります。
歯垢の中に含まれる細菌によって歯茎に炎症が起こると、歯肉炎になります。
歯肉炎では、次のような症状がみられます。
・歯みがきの際に血が出る
・歯茎が赤く腫れる
・口の中がねばつく
・口臭が気になる
歯肉炎を放置すると、炎症が歯を支えている組織や骨にまで広がり、歯周病へ進行する可能性があります。
歯周病によって失われた骨は、基本的に自然には元へ戻りません。
歯並びを整えることで歯ブラシやデンタルフロスを通しやすくなり、歯垢を除去しやすい環境をつくれる場合があります。ただし、すでに歯周病が進行している場合は、矯正治療より先に歯周病治療を行い、炎症を安定させる必要があります。

3.口臭の原因になる
歯並びが悪い部分に歯垢や食べかすが残ると、細菌が増殖し、口臭の原因となる物質がつくられることがあります。
特に、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすい方や、歯茎から出血する方は注意が必要です。
口臭が気になるからといって、マウスウォッシュだけを使用しても、歯垢そのものを十分に除去することはできません。歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシを使って汚れを取り除くことが基本です。
歯並びが原因でセルフケアが難しい場合は、歯科医院で磨き方の指導や定期的なクリーニングを受けることが大切です。

4.食べ物を噛みにくくなる
上下の歯が適切に噛み合っていないと、食べ物を前歯で噛み切ったり、奥歯ですりつぶしたりする動作がうまくできないことがあります。
例えば、前歯が噛み合わない開咬では、麺類や葉物野菜などを前歯で噛み切りにくくなる場合があります。
反対咬合や左右にずれた噛み合わせでは、一部の歯だけで噛む癖がつくこともあります。
しっかり噛めない状態が続くと、食事に時間がかかったり、片側だけで噛むようになったりする可能性があります。
歯並びや噛み合わせの乱れは、咀嚼のしにくさにつながることがあると日本歯科医師会も説明しています。
5.一部の歯に負担が集中する
噛み合わせのバランスが悪いと、一部の歯だけが強く当たることがあります。
特定の歯へ継続的に大きな力がかかると、次のようなトラブルにつながる可能性があります。
・歯がすり減る
・歯に亀裂が入る
・詰め物や被せ物が取れる
・歯が欠ける
・歯を支える組織へ負担がかかる
・冷たいものがしみる
歯ぎしりや食いしばりがある方では、噛み合わせの偏りに強い力が加わり、歯への負担がさらに大きくなることがあります。
矯正治療では、歯を並べるだけでなく、上下の歯がどのように接触するかを確認しながら治療計画を立てます。
ただし、矯正治療によって歯ぎしりそのものが必ず治るわけではありません。
必要に応じて、生活習慣の見直しやマウスピースの使用などを組み合わせる場合があります。
6.顎に負担がかかることがある
歯並びや噛み合わせの状態によっては、食事の際に顎を左右へずらして噛む癖がつくことがあります。
その結果、顎の関節や筋肉に負担がかかり、顎の疲れや痛み、口を開けたときの音などが現れる場合があります。
ただし、顎関節症は、噛み合わせだけで起こるものではありません。
歯ぎしり、食いしばり、ストレス、頬杖、うつぶせ寝、硬いものを頻繁に噛む習慣など、複数の要因が関係すると考えられています。
そのため、「歯並びを治せば必ず顎関節症も治る」とは言い切れません。
顎に症状がある方は、歯並びだけでなく、顎関節や筋肉の状態も確認してから矯正治療を進める必要があります。
7.発音しにくいことがある
前歯に大きな隙間がある場合や、前歯が噛み合わない場合は、空気が漏れて特定の音を発音しにくくなることがあります。
特に、サ行やタ行などの発音へ影響するケースがあります。
ただし、発音には舌の動かし方や口腔周囲の筋肉、習慣なども関係します。
歯並びを整えるだけでなく、舌を前へ出す癖などがある場合は、口腔筋機能療法を取り入れることもあります。
歯並びによって発音に支障が出る場合があることも、日本歯科医師会が不正咬合に関連する問題として挙げています。
8.歯や歯茎を傷つけることがある
前歯が大きく前へ出ている場合、転倒やスポーツ時に歯をぶつけやすくなることがあります。
また、噛み合わせが深い過蓋咬合では、下の前歯が上の前歯の裏側の歯茎へ当たり、粘膜を傷つけるケースがあります。
反対に、上の前歯が下の歯茎へ強く当たることもあります。
歯や歯茎に傷が繰り返しできる場合は、噛み合わせを含めて歯科医院で確認しましょう。
9.見た目がコンプレックスになることがある
歯並びを気にして、人前で笑うときに口元を隠したり、写真撮影を避けたりする方もいらっしゃいます。
歯並びのお悩みは、単なる見た目の問題として軽く考えられるものではありません。
患者さまご本人がどのように感じているかも、矯正治療を検討するうえで大切です。
ただし、矯正治療を受けるかどうかは、周囲の意見ではなく、ご本人がメリット・デメリットを理解したうえで決めることが重要です。
歯並びが悪ければ必ず矯正治療が必要?
歯並びが少し乱れていても、歯みがきや食事に問題がなく、噛み合わせも安定している場合は、必ずしも矯正治療が必要とは限りません。
一方、次のような状態がある場合は、矯正相談を検討するとよいでしょう。
・歯が重なっていてうまく磨けない
・同じ場所にむし歯を繰り返す
・歯茎の腫れや出血が続いている
・前歯で食べ物を噛み切れない
・一部の歯だけが強く当たる
・歯のすり減りや欠けがある
・口を閉じにくい
・発音しにくい音がある
・歯並びが気になり、笑うことをためらう
矯正相談では、見た目だけでなく、歯みがきのしやすさ、噛む機能、顎の状態、将来的なお口の健康まで確認します。
矯正治療によって期待できること
矯正治療によって歯並びや噛み合わせを整えると、次のような変化が期待できます。
・歯ブラシを当てやすくなる
・デンタルフロスを通しやすくなる
・食べ物を噛みやすくなる
・一部の歯への負担を分散しやすくなる
・口元の見た目を整えられる
・歯並びに対するコンプレックスの改善につながる
米国矯正歯科学会も、矯正治療によって噛む機能や清掃性の改善、むし歯や歯周病などのリスク低減が期待できると説明しています。
ただし、矯正治療を受ければ、むし歯や歯周病にならなくなるわけではありません。
治療後も毎日の歯みがきや定期検診を続ける必要があります。
矯正治療中はむし歯や歯肉炎に注意
矯正治療中は、普段以上に丁寧な口腔ケアが必要です。
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤーの周囲に歯垢がたまりやすくなります。
マウスピース矯正でも、歯に食べかすや糖分が残ったまま装置を装着すると、むし歯のリスクが高まる可能性があります。
矯正治療は、お口の中が清潔に保たれていることが前提です。口腔衛生が不十分な状態では、矯正装置によってむし歯や歯茎の問題が起こりやすくなるため、治療前に清掃状態を改善することが重要とされています。
治療中は、通常の歯ブラシに加えて、タフトブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使い分けましょう。
定期的に歯科医院でクリーニングを受けることも大切です。
矯正治療にはどのような方法がある?
矯正治療には、主にワイヤー矯正とマウスピース矯正があります。
ワイヤー矯正
歯の表面または裏側にブラケットとワイヤーを装着し、歯へ継続的な力を加えて動かす方法です。
幅広い歯並びや噛み合わせに対応しやすいことが特徴です。
一方で、装置の周りに汚れが残りやすいため、丁寧な歯みがきが必要です。
マウスピース矯正
透明なマウスピースを交換しながら、少しずつ歯を動かす方法です。
装置をご自身で取り外せるため、食事や歯みがきを行いやすいという特徴があります。
ただし、決められた装着時間を守らなければ、計画どおりに歯が動かない可能性があります。
歯並びが気になる方は早めにご相談ください
歯並びの乱れは、見た目だけでなく、むし歯や歯周病、口臭、噛みにくさ、歯のすり減りなど、さまざまなトラブルに関係する可能性があります。
ただし、歯並びが悪いからといって、すべての方に同じ矯正治療が必要なわけではありません。
現在のお口の状態や噛み合わせ、患者さまが困っていることを確認し、治療によって得られるメリットと負担を比較することが大切です。
東京日本橋クレア歯科・矯正歯科では、歯並びだけでなく、むし歯や歯周病、噛み合わせ、顎の状態まで確認したうえで、患者さま一人ひとりに合った矯正治療をご提案します。
歯みがきがしにくい、食べ物を噛みにくい、同じ場所にむし歯ができる、歯並びを気にせず笑いたいといったお悩みがある方は、お気軽にご相談ください。
【医院情報】
東京日本橋クレア歯科・矯正歯科
Tokyo Nihombashi Clair Dental & Orthodontics
住所:〒103-0024
東京都中央区日本橋小舟町8番 14号日本橋三越前アムフラット壱番館1階
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