「職場の昼休みに急に歯が痛み出したけど、抜歯が怖くてずっと後回しにしている」──日本橋・兜町周辺で働くビジネスパーソンの方から、こんなお声をよくいただきます。忙しい日々の中で予約を先延ばしにするうち、痛みが繰り返されている──そのような方は、決して珍しくありません。「怖い」「腫れたら仕事に支障が出る」という不安は、受診のハードルを確実に上げます。この記事では、そうした不安の正体を一つずつ丁寧に解きほぐしながら、抜歯当日の流れや術後の経過を時系列でご説明します。正確な情報を持つことが、最初の一歩につながると考えています。
「親知らずの抜歯は怖い」と感じるのはなぜ?その正体を知ろう
怖さの多くは「知らないこと」から生まれる
親知らずの抜歯に対する不安の多くは、「何をされるかわからない」という情報の不足から生じています。
日本歯科医師会のテーマパーク8020によると、親知らず(第三大臼歯・智歯)は生える場所が不足していたり、萌出方向が通常と異なるために、埋伏(埋まった状態)していたり傾いて生えてこないことがしばしばみられます。こうした状態の親知らずは、まっすぐ生えているケースに比べて抜歯の手順が複雑になりやすく、「難しそう」というイメージがつきやすいのは事実です。
一方で、親知らずが正常に生えて機能している場合や、手前の奥歯が失われ、ブリッジや入れ歯の土台として活用できる場合は残しておいた方が良いこともあります。すべての親知らずが抜歯対象になるわけではありません。まずはレントゲンやCT撮影で状態を確認し、抜くべき理由が明確になってから判断することが重要です。
当院(東京日本橋クレア歯科・矯正歯科)では、歯科用CTと口腔内スキャナーを導入しており、親知らずの向き・根の形・周囲の神経との位置関係を三次元で把握したうえで、大型モニターを使って患者さんと一緒に画像を確認しながら説明しています。「なぜ抜く必要があるのか」「どんな処置になるのか」を視覚的にご理解いただくことで、漠然とした怖さを具体的な理解へ変えるお手伝いができます。
歯科への不安は珍しいことではない
J-STAGEに掲載された研究(日本歯科麻酔学会雑誌)では、歯科恐怖症は静脈内鎮静法の良い適応とされるが、歯科麻酔が一般人にどの程度認知され需要があるかを明らかにすることを目的として調査が行われました。歯科に対して何らかの恐怖心や不安を抱える方は、実は非常に多いのです。
J-STAGEに掲載された別の研究(小児歯科学雑誌)では、歯科恐怖に関するアンケート(DFS)の調査において、女子のDFS値(37.54)が男子(29.64)より高く、性差が認められることが示されています。歯科への恐怖心は特定の人に限ったものではなく、多くの方が程度の差こそあれ抱えている感情です。
当院の野田奈菜院長は「自分自身や自分の家族に受けてほしい治療を、すべての患者様に提供する」という診療理念のもと、歯科に苦手意識をお持ちの方にも丁寧に向き合うことを大切にしています。「怖い」とお伝えいただければ、処置のペースを調整したり、都度声かけをしながら進めたりと、柔軟に対応しています。
「抜歯後に腫れて仕事ができなくなる」という不安
ビジネスパーソンの方が特に心配されるのが、抜歯後の腫れと痛みです。「翌日から普通に働けるのか」「顔が見た目でわかるほど腫れてしまうのか」という疑問は切実です。
日本歯科医師会のテーマパーク8020でも、「処置によりその後に腫れや痛みなどの不快な症状が生じたり、少なからずリスクを伴う」と明記されており、「抜くメリットとデメリットについて歯科医師と十分に相談してから決断するべきだ」としています。腫れの有無やその程度は、親知らずの生え方・抜歯の難易度・個人の体質によって異なります。次のセクションで当日の流れとともに詳しく解説します。
抜歯当日の流れ──麻酔の工夫で痛みに配慮した処置を
問診・CT確認から処置開始まで
抜歯当日は、まず問診と術前の状態確認から始まります。当院では事前に歯科用CTで撮影したデータをもとに、抜歯の難易度と所要時間の目安をご説明します。「今日はどんな処置をするのか」を事前に把握していただくことで、処置中の不安を和らげることができます。
体調が優れない日や、服薬中の薬がある場合は必ずお申し出ください。抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)などを服用されている方は、処置前に主治医との連携が必要になることがあります。当院では、臨床歯科麻酔管理指導医の資格を持つ野田院長が麻酔管理を含めて丁寧に対応しています。
表面麻酔と細い針──痛みへの配慮
日本歯科麻酔学会では、高度な専門性が要求される静脈内鎮静法や全身麻酔法が安全に行える質の高い歯科麻酔科医を養成するための認定医制度や専門医制度を設けており、最新の知識を習得するためのリフレッシャーコースや学術集会も開催しています。麻酔の安全な管理は、歯科医療において非常に重要な専門領域です。
当院では、局所麻酔の注射に先立って表面麻酔を歯茎に塗布します。表面麻酔は、ジェル状の薬剤を粘膜に数分間作用させることで注射針が刺さる際の感覚を和らげるものです。さらに、できる限り細い針を使用することで、麻酔時の不快感を軽減するよう努めています。
麻酔が十分に効いた状態で処置に進むため、処置中に強い痛みを感じることは通常ありません。骨を削る必要がある埋伏歯(歯茎や骨の中に埋まった親知らず)の場合も、麻酔が効いた状態での処置になります。「音や振動は感じるが、痛くはなかった」とおっしゃる患者さんが多いです。
抜歯処置の時間と術後の説明
まっすぐ生えている場合の抜歯は、処置自体は数分から10分程度で終わることもあります。一方、横向きや骨の中に埋まっている埋伏歯の場合は、切開・骨の一部を削る操作・歯の分割が必要になることがあり、30〜60分程度かかることもあります。
日本歯科医師会によると、「親知らずの大部分が骨の中に埋まっていたり、歯の根の形が複雑だったりすると、歯肉を切開したり、骨や歯を削ったりするため、抜歯にかなりの注意と手間が必要となる」とされています。処置後は、止血の確認・術後の注意事項の説明・お薬の処方を行い、終了となります。処方される薬は痛み止めと抗生物質が一般的です。
当院では、処置後に気になることが生じた際も、土曜・日曜・祝日も診療していますので、平日に時間が取れないビジネスパーソンの方でも安心してご相談いただける体制を整えています。
抜歯後1日目〜1週間の経過と、腫れ・痛みへの対処法(時系列ガイド)
当日〜翌日(術後0〜24時間)
麻酔が切れる術後2〜4時間前後から、じんわりとした痛みが出始めることがあります。これは処置部位が正常に回復しようとしているサインです。処方された痛み止め(消炎鎮痛剤)は、痛みが出る前のタイミングで服用を開始すると効果的です。
この時期に特に注意が必要なのが血餅(けっぺい)の保護です。抜歯した穴にできる血のかたまり(血餅)は、傷口を保護する重要な役割を担っています。以下の行動は血餅を流してしまう恐れがあるため、当日は避けてください。
- 患部を舌や指で触る
- 強いうがい・口をゆすぐ
- 飲酒・喫煙・激しい運動・長時間の入浴
また、腫れは当日よりも翌日から翌々日にかけてピークを迎えることが多いです。患部への過度な冷却は血行を妨げ、回復を遅らせる可能性があるため、冷やしすぎないよう注意してください。
術後2〜4日目(腫れのピーク期)
2018年に全国2,345の歯科医院で行われた永久歯の抜歯原因調査(公益財団法人8020推進財団)によると、抜歯原因として埋伏歯は若い年代に多く見られることが示されています。親知らずの抜歯を経験する20〜30代が多いのは、まさにこの時期に親知らずが問題を起こしやすいためです。
腫れのピークはおおむね術後2〜4日目です。顔の輪郭が変わるほど腫れる方もいれば、ほとんど腫れを感じない方もいます。この差は、抜歯の難易度(埋伏の程度・切開の範囲)や個人の体質によって決まります。一般的に埋伏歯の抜歯ほど腫れやすく、まっすぐ生えていた場合はほとんど腫れないことも珍しくありません。
術後2〜4日目のケアポイント
- 抗生物質は処方された日数分を飲み切る(自己判断での中断は感染リスクを高めます)
- 痛み止めは痛みに応じて処方の用量・用法を守って使用する
- 柔らかい食事(おかゆ・スープ・豆腐など)を心がける
- 傷口を刺激しないよう、患部側での咀嚼は避ける
もし術後4〜5日を過ぎても痛みが増強している場合は、ドライソケット(血餅がうまく形成されず骨が露出した状態)の可能性があります。この場合は早めに受診して処置を受けることをお勧めします。
術後5〜7日目(回復期・抜糸)
多くの場合、術後5〜7日で腫れは概ね落ち着いてきます。切開を伴う抜歯では、術後1週間前後に抜糸(縫った糸を取り除く処置)を行います。抜糸自体はほとんど痛みを伴わず、数分で終わります。
傷口が完全に塞がるまでには、おおよそ2〜4週間程度かかると言われています。骨が完全に埋まるには、さらに数ヶ月を要することがありますが、日常生活への支障は通常1週間以内に落ち着いてくることがほとんどです。
術後に受診が必要なサイン(目安)
- 術後5日以上経っても痛みが強まっている
- 患部からの出血が止まらない
- 39℃以上の発熱が続いている
- 口が開きにくい・飲み込みに強い違和感がある
こうした症状が現れた場合は、我慢せず早めにご連絡ください。当院は土日・祝日も診療しており、術後のフォローにも対応できます。
歯科が苦手な方・歯科恐怖症の方へ──当院の取り組み
「怖い」という気持ちを伝えていい
歯科に対して強い恐怖心を持つ方は、決して少数ではありません。J-STAGEに掲載された「歯科恐怖症患者への対応」(2023年)では、歯科恐怖症に対する不安軽減と適切なコミュニケーションの重要性が取り上げられています。恐怖心を持った患者さんへの丁寧な対応が、歯科医療の質の一部であると認識されているのです。
当院では、「怖い」「緊張している」という気持ちをそのままお伝えください。野田院長をはじめとするスタッフが、処置の前に一つひとつ声がけしながら進めます。「どこまで進んだか」「次に何をするか」を都度説明することで、「わからないから怖い」という感情を和らげることができます。
麻酔の工夫と処置のペース配分
前述の表面麻酔・細い針に加えて、当院では麻酔が十分に効いているかを確認してから処置を進める原則を大切にしています。「まだ感覚が残っている」と感じた場合は、処置を止めて追加の麻酔を行うことができます。途中で手を挙げていただくなどのサインを決めておくと、患者さんが主体的にペースをコントロールしやすくなります。
また、歯科用CTによる術前の精密な診断によって、処置の所要時間と手順を事前に把握できます。「あとどのくらいで終わるか」が見通せることで、気持ちの余裕が生まれます。
日曜・祝日診療が果たす役割
仕事が忙しいビジネスパーソンの方にとって、「いつ予約を取るか」も大きなハードルです。「平日に休みを取ってまで受診したくない」「土日は家族の予定がある」という状況の中で、抜歯を先延ばしにしてしまう方は少なくありません。
当院は土曜・日曜・祝日も診療しており、三越前駅から徒歩1分という立地から、日本橋・兜町エリアで働く方にもアクセスしやすい環境を整えています。「痛みが出た週末に相談したい」という場合にも、対応できる体制です。
まとめ
- 「怖い」という感情は正常な反応です。歯科に対して何らかの不安を抱えている方は多く、その感情を伝えることが円滑な治療の第一歩になります。
- 抜歯の必要性はCT・レントゲンで判断します。すべての親知らずが抜歯対象になるわけではありません。日本歯科医師会も、抜くメリットとデメリットを歯科医師と十分に相談してから決断することを推奨しています。
- 麻酔が効いた状態での処置中の痛みは、通常ほとんどありません。当院では表面麻酔と細い針を使用し、麻酔の効き具合を確認しながら処置を進めます。臨床歯科麻酔管理指導医である野田院長が麻酔管理を担当しています。
- 術後の腫れ・痛みのピークは2〜4日目が目安です。処方薬を正しく服用し、患部を安静に保つことで回復を促すことができます。5日以上痛みが続く場合や発熱がある場合は早めに受診してください。
- 歯科用CT・口腔内スキャナーによる精密な術前評価と、土日・祝日診療・三越前駅徒歩1分というアクセスの良さで、日本橋エリアで働く方の「受診しやすさ」を支えています。
「親知らずが気になっているけど、怖くて受診できていない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。東京日本橋クレア歯科・矯正歯科は三越前駅から徒歩1分。土曜・日曜も診療しているため、平日に時間が取れないビジネスパーソンの方にも対応しております。初診の費用目安は保険適用で約3,000〜5,000円。クレジットカード・電子マネーのお支払いにも対応しています。まずは現在の親知らずの状態をCTで確認し、抜く必要があるかどうかを一緒に考えるところから始めましょう。電話(03-6661-6604)またはWeb予約よりどうぞ。
はじめて受診される方は、初めての方へ(初診の流れ)もあわせてご覧ください。
参考文献
[1] 日本歯科医師会「親知らず」テーマパーク8020 jda.or.jp
[2] 日本歯科医師会「歯科麻酔」テーマパーク8020 jda.or.jp
[3] 公益財団法人8020推進財団「第2回 永久歯の抜歯原因調査報告書」(2018年) 8020zaidan.or.jp
[4] 小川美香ほか「歯科治療に対する恐怖感と歯科麻酔の認知度および潜在需要:日本語版Modified Dental Anxiety Scaleを用いて」日本歯科麻酔学会雑誌 48(2) J-STAGE jstage.jst.go.jp
[5] J-STAGE「歯科恐怖症患者への対応」日本歯科心身医学会雑誌 40(2) 2023年 jstage.jst.go.jp
[6] 玉木裕輔ほか「歯科恐怖に関する研究」小児歯科学雑誌 39(5) J-STAGE jstage.jst.go.jp